2015年

11月

【水俣条約対応のための国内法整備の動向(2015.11)】
(2015/12/8更新) 

水銀新法(水銀による環境の汚染の防止に関する法律)の施行令が閣議決定

11月6日の閣議において、水銀新法(水銀による環境の汚染の防止に関する法律)の施行令及び同法の施行日が決定した。施行令では、規制対象となる“特定水銀使用製品”が定義されたほか、禁止される水銀を使用する製造工程、水銀等の貯蔵者に対する貯蔵指針などが示された(1.)。
また、法律の施行期日令も決定され、気になる法施行日が明らかとなった(2.)。

また、水銀新法で水銀を使用する製造工程が禁止されることを受け、水質汚濁防止法の施行令も改正となる(特定施設:水銀電解法によるか性ソーダ等製造施設(施行令別表1-25の項)が削除)。

1.水銀による環境の汚染の防止に関する法律施行令(概要)

正式な施行令条文は、11/6の閣議決定時のものとなるが、9月のパブリックコメントの際に公開された資料の方が読みやすい。
【11/6 閣議決定】http://www.env.go.jp/press/101630.html
 ※施行令条文は、同URL内の添付資料『6【案分・理由】施行令[PDF 108 KB]』より
【9/8 パブリックコメント】http://www.env.go.jp/press/101400.html

2.法律の施行日について(施行期日令)

段階的な施行が予定されており、水俣条約が正式に発行された段階で完全施行となる。
※上述(1.)施行令については、別途施行日が定められているものもあるので注意

水銀新法 施行日 規制条項
平成28年12月18日 (関係主体における水銀使用製品の適正な分別回収に関する責務規定)
第16条
国の責務、第17条 市町村の責務、第18条 事業者の責務
平成30年1月1日 (特定水銀使用製品の製造禁止等に関する規定)
第5条
特定水銀使用製品の製造の禁止、第6条 特定水銀使用製品の製造の許可、第12条 特定水銀使用製品の使用の制限、第7条~第11条第25条 報告徴収、第26条 立入検査等
水俣条約の発効日
(日本で効力が生じる日)
その他の条項
水銀新法全文:http://law.e-gov.go.jp/announce/H27HO042.html

※本取りまとめは本編集部独自によるものです。 

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9月

【公布・施行】トリクロロエチレンの排水基準強化
(2015/9/18公布、同10/21施行)

「水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令」の公布(2015.9.18)

 水質汚濁防止法に係る「排水基準」、「地下水浄化基準※」が10月21日付けで下記のとおり改正される。昨年(平成26年11月)に水質環境基準が改正されたことを受けての本改正であるが、通常は環境基準改正後、2~3年を経て排水基準等が改正となることが多いが、本件は1年を待たずして排水基準等が改正となった。 

トリクロロエチレンに関する基準値の改正

基 準 改正後の基準値 改正前の基準値
排水基準 0.1mg/L 0.3mg/L
地下水浄化基準※ 0.01mg/L 0.03mg/L

※地下水の浄化措置命令に関する浄化基準


≪関連リンク≫
(環境省 報道発表)(お知らせ)「水質汚濁防止法施行規則等の一部を改正する省令」の公布について
http://www.env.go.jp/press/101451.html

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【水俣条約対応のための国内法整備の動向(2015.9)】
(2015/9/15更新) 

水俣条約批准に向けた国内法の具体的な枠組み(政省令)作りが進む

 今国会(第189回通常国会)で「水銀に関する水俣条約」批准に向けた法案が可決されたことを受け、その具体的な対応を定める政省令作りが進んでいる。今月(9月)に入り、8日に『水銀新法(水銀による環境の汚染の防止に関する法律)施行令案等』、14日に『廃棄物処理法の施行令・施行規則の改正案』、翌15日には『大気汚染防止法の施行令改正案』についてパブリックコメント(意見募集)が始まり、いずれも10月の意見募集期間終了後は、中環審での審議等を経て公布されることになる。

パブリックコメント中の水俣条約関係の法政省令案

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5月

【水俣条約対応技術的事項検討会(第3回)】報告 ≪中間報告書案の審議≫
(2015/5/22更新) 

水銀新法「水銀による環境の汚染の防止に関する法律(案)」の課題整理が進む

 平成27年5月22日に水俣条約対応技術的事項検討会(通算第3回)が開催され、検討会での中間報告書(案)が示された。中央環境審議会(環境省)、産業構造審議会(経済産業省)合同で本報告書をとりまとめ、中央環境審議会での審議ののち、パブリックコメントが実施される予定だ。
※今回の報告書案は、3月に閣議決定した法案(現在、国会審議中)をベースに取りまとめられており、国会審議の内容に応じて、見直しされる可能性がある。

水俣条約対応技術的事項検討会中間報告書(案) 概要

 水銀新法に盛り込むべき内容として、主に以下の項目が、報告書案として示された。

■特定水銀使用製品の製造等禁止(報告書項番3.<法案第2条関係>
 水銀含有量が一定以上の電池や高圧水銀ランプ等の使用期限が示された。条約による廃止期限は2020年末日だが、ボタン型酸化銀電池や蛍光ランプ類など一部製品については、条約の期限より早い2017年末日を廃止期限とする案が出された。また、代替がきかず“市民の保護及び軍事的用途に不可欠”なもの等、製造禁止の適用を除外する製品についても整理が行われている。
 対象製品:(1)電池 (2)スイッチ及び継電器 (3)ランプ類 (4)化粧品 (5)駆除剤等 (6)圧力計等

■新用途水銀使用製品の流通抑制(報告書項番4.<法案第13、14条関係>)
 本法が施行されると、認められた既存用途製品(別紙2)以外は製造・販売等ができなくなる。しかし、新たに“人の健康又は環境保全上の利益がある用途”が生まれ、かつ製造・流通の規制が不要と判断される場合は、国内規制上は“既存用途製品”と同等に扱われ、利用を認めるという条項が盛り込まれる見込みである。

■製造工程における水銀等使用の禁止(報告書項番5.<法案第19条関係>)
 国内ではすでに、条約の規制対象となっている水銀を使用した塩化ビニルモノマーやナトリウム等の製造工程はなく、条約規制対象となっている5つのすべての製造工程が禁止される。

■水銀等の適切な貯蔵(報告書項番6.<法案第21、22条関係>)
 保管容器や貯蔵場所の取り決めなど飛散や漏れなどを防止するための技術指針の内容案が示された。重量濃度95%以上の水銀及び水銀化合物を貯蔵する者に対し適用され、毒劇法の保管指針を参考に案が作られている。保管のみを対象としており運搬時に関する指針はない。また、水銀及び水銀化合物のいずれかを30kg以上貯蔵している者には、定期報告の義務が課せられ、年1回貯蔵状況等の報告をすることになりそうだ。
 ※水銀化合物=塩化第一水銀、酸化第二水銀、硫酸第二水銀、硝酸第二水銀、辰砂、硫化水銀

■水銀含有再生資源の適切な管理(報告書項番7.)
 回収された水銀資源を適切に管理するための保管・運搬時等の技術指針が示されたほか、管理状況の定期報告の対象者や報告事項について、その案が示された。

以上


≪関連リンク≫
経済産業省 水銀に関する水俣条約 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/mercury.html

※本取りまとめは本編集部独自によるものです。 ↓第3回検討会資料は『改正内容はこちら』をクリック↓

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【公布・施行】1,4-ジオキサンに係る暫定排水基準の見直し
(2015/5/1公布、同5/25施行)

排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令(平成27年5月25日施行)

 1,4-ジオキサンに関する排水基準については、平成24年5月25日に0.5mg/Lを許容限度とする一般排水基準が設定された。施行時に設定された5業種のうち4業種に対する暫定排水基準の期限(3年間)を迎えたため、平成27年5月25日以降の基準について見直しが行われました。 

改正の概要(環境省HPより)

 現在暫定排水基準が設定されている4業種のうち、2業種(感光性樹脂製造業・下水道業)については暫定排水基準から一般排水基準へ移行します。ま た、残る2業種については以下のとおり暫定排水基準を強化し、適用期限を3年間延長します。(ポリエチレンテレフタレート製造業は暫定排水基準から一般排 水基準へ移行済み。)

1,4-ジオキサンに関する暫定排水基準の見直し

業種 改正後の基準値 現行の基準値
感光性樹脂製造業 0.5mg/L
(本改正により一般排水基準へ移行)
200mg/L
エチレンオキサイド製造業 6mg/L
(適用期間:施行日から3年間)
10mg/L
エチレングリコール製造業 6mg/L
(適用期間:施行日から3年間)
10mg/L
ポリエチレンテレフタレート製造業 0.5mg/L
(一般排水基準へ移行済み(平成26年5月))
下水道業 0.5mg/L
(本改正により一般排水基準へ移行)
25mg/L

※感光性樹脂製造業に属する特定事業場(下水道法(昭和33年法律第79号)第12条の2第1項に規定する特定事業場をいう。)から排出される水を受け入れているものであって、一定の条件に該当するものに限る。


≪関連リンク≫
(環境省 報道発表)「排水基準を定める省令の一部を改正する省令の一部を改正する省令」の公布について(お知らせ)http://www.env.go.jp/press/100937.html

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4月

【中環審/水環境部会】トリクロロエチレンに関する排水基準の見直し(環境大臣への答申)
(2015/4/21)

 平成27年4月21日(火)に開催された中央環境審議会水環境部会(第37回)において、「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告)」が取りまとめられ、トリクロロエチレンに関する排水基準等の見直し案などが環境大臣へ答申された。
 環境省案では、今年度上期中(~9月)の改正が予定されている。

答申の概要(環境省HPより)

 トリクロロエチレンに関する水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の新たな基準値は、以下の通りとすることが適当とされました。

トリクロロエチレンに関する基準値の見直し 

基準

新たな基準値

現行の基準値

排水基準

0.1mg/L

0.3mg/L

特定地下浸透水が有害物質を含むもの
としての要件(地下浸透基準)

0.002mg/L(据え置き)

0.002mg/L

地下水の浄化措置命令に関する浄化基準

0.01mg/L

0.03mg/L

 


≪関連リンク≫
(環境省 報道発表)「水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(答申)」について(お知らせ)http://www.env.go.jp/press/100875.html

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3月

【法案・閣議決定】水銀環境汚染防止法&大気汚染防止法改正案
(2015/3/10閣議決定)

水俣条約批准へ国内法の整備が進む

 水銀による地球規模での環境汚染を防止することを目的とする「水銀に関する水俣条約」の担保措置等を講ずるため、「水銀による環境の汚染の防止に関する法律案」及び「大気汚染防止法の一部を改正する法律案」が3/10に閣議決定され、今国会で同条約の批准承認を含め審議される予定だ。

 ━━┃提出法案┃━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.水銀による環境の汚染の防止に関する法律案(新法)
 2.大気汚染防止法の一部を改正する法律案
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━

 suiginhou_gaiyou1.png

suiginhou_gaiyou2.png


≪関連リンク≫
(環境省 報道発表)水銀による環境の汚染の防止に関する法律案及び大気汚染防止法の一部を改正する法律案の閣議決定について(お知らせ)http://www.env.go.jp/press/100686.html

(衆議院 第189回国会議案の一覧)
・両法案の審議の状況が下記から確認できます。
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/kaiji189.htm

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1月

【中央環境審議会大気・騒音振動部会】水銀大気排出対策小委員会(第8回)報告
(2015/1/22更新)

水俣条約締結への動き進む

 平成27年1月19日に水銀大気排出対策小委員会(第8回)が行われた。本小委員会では、水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策についての答申案の検討が主な議題となった。

 ━━┃議題┃━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)
 2.その他
  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
━━━━━━

1.水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)

  水俣条約を踏まえた今後の水銀大気排出対策について(答申案)のパブリックコメントの結果について議論が行われた。一部の意見と回答案の概要は次のとおり。

  • ライフサイクル全過程での水銀排出ゼロを目指した制度とすべき→総合的な制度とするため、複数の部会で検討している
  • 排出抑制策を明確に→対象施設の設置届出、排出基準遵守、測定義務、違反時の命令などの規制が必要と考える
  • 現行の大気汚染防止法のばい煙発生施設に係る排出基準との整合は→ばい煙排出規制制度は水銀に着目したものではないため、これらの枠組みとは別に新たな規制制度を設ける必要があると考える
  • 上乗せ基準の設定は避けるべき→我が国全体の水銀排出量の削減のための規制であるため、ばい煙規制のように上乗せ基準の設定を積極的に認める必要性は乏しいが、地方自治法に基づく条例の制定権を制限することはできないと考える

※ 水俣条約:水銀が人の健康や環境に与えるリスクを低減するための包括的な規制を定める条約。2010年から開始された政府間交渉を経て、2013年1月の最終交渉で「水銀に関する水俣条約」という名称及び条約案に合意。

また委員からは、BAT(利用可能な最良の技術)を十分に考慮した規制にすべき、インベントリーは排出だけでなく沈着までを視野に入れて策定すべき、日本の水銀条約への取組を積極的にアジアに発信したいなどの意見が出された。

【今後の予定】
①条約の締結に向け、平成27年中に所要の法整備(公布)を予定
②政省令等で定める必要がある事項は、来年度以降早期に実施する予定の水銀の排出に係る実態調査の結果を踏まえ、検討を進める予定
③国連環境計画(UNEP)によれば、条約発効は2016~2017年頃の見込み

2.その他

 特記事項なし


※本取りまとめは本編集部独自によるものです。 ↓委員会資料は『改正内容はこちら』をクリック↓

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